メインコンテンツへスキップ
わらび内科・糖尿病クリニック ロゴ
/
合併症の予防と早期発見

糖尿病の合併症

蕨駅東口徒歩3分|糖尿病専門医による定期スクリーニング

糖尿病の合併症は、早期に発見できれば適切な治療で進行を防ぐことが可能とされています。わらび内科・糖尿病クリニックでは、定期的な検査で合併症を総合的にスクリーニングし、患者さまの生活の質を守ることを大切にしています。

細小血管障害

三大合併症

高血糖が持続することで毛細血管が障害され、以下の三つの合併症が引き起こされるとされています。

細小血管障害①

糖尿病網膜症

失明原因第2位

高血糖によって網膜の毛細血管が障害される疾患です。高血糖状態が長年続くと、視力低下や失明に至る可能性があるとされています。早期発見と適切な治療が重要です。

初期(単純期)

微小出血・白斑が出現。自覚症状はほぼありません。

中期(前増殖期)

網膜の虚血が進行。眼科での専門治療が必要になります。

進行期(増殖期)

新生血管が形成され、出血・網膜剥離のリスクがあります。

眼科での眼底検査を6〜12か月ごとに受けることが推奨されています。血糖コントロールが良好でも、定期的な受診を続けることが大切とされています。

細小血管障害②

糖尿病腎症

透析原因第1位

高血糖によって腎臓の糸球体毛細血管が障害され、腎機能が徐々に低下する疾患です。日本では糖尿病腎症が新たに透析を開始する原因の中で最も多いとされています。早期発見と積極的な治療により進行を遅らせることができます。

第1〜2期:微量アルブミン尿期

尿中に微量のアルブミンが出現。適切な治療で正常化も可能とされています。

第3期:顕性蛋白尿期

尿蛋白が持続し、腎機能が低下し始めます。血圧管理が重要です。

第4〜5期:腎不全〜透析期

腎機能が著しく低下し、透析療法が必要になる場合があります。

尿中アルブミン検査・腎機能(eGFR)の定期的な確認が大切です。血圧管理・塩分制限も進行抑制に役立つとされています。

細小血管障害③

糖尿病神経障害

最も早期に出現

三大合併症の中で最も早期に出現するとされる合併症です。高血糖によって神経が障害され、さまざまな症状が現れます。

末梢神経障害
  • 手足のしびれ・痛み(特に足指)
  • 感覚障害(感覚が鈍くなる)
  • 夜間に痛みが強くなる傾向
自律神経障害
  • 消化器症状(胃もたれ・便秘・下痢)
  • 起立性低血圧(立ちくらみ)
  • 発汗異常・排尿障害

神経障害は一度出現すると回復しにくいとされるため、予防が重要です。振動覚検査・腱反射検査などで早期発見が可能です。

動脈硬化性疾患

大血管症(動脈硬化性疾患)

糖尿病は動脈硬化の進行を加速させ、心血管・脳血管疾患のリスクを高めるとされています。

脳梗塞・脳卒中

糖尿病患者では脳梗塞のリスクが非糖尿病の方の2〜3倍になるとされています。頸動脈エコーで動脈硬化を早期に発見できます。

リスク2〜3倍

心筋梗塞・狭心症

心筋梗塞のリスクは非糖尿病の方の2〜4倍とされています。糖尿病では無症候性心筋梗塞が起こりやすいとされ、定期的な心電図検査が重要です。

リスク2〜4倍

末梢動脈疾患(PAD)

下肢の血流障害により、歩行時に足が痛む(間歇性跛行)などの症状が現れます。ABI検査(足関節上腕血圧比)で下肢の血流を評価できます。

ABI検査で評価
フットケア

糖尿病性足病変

糖尿病性足病変は、神経障害(感覚障害)と血流障害(末梢動脈疾患)が重なることで、足に潰瘍・壊疽が生じやすい状態です。感覚障害によって足が痛みを感じにくくなり、傷に気づかないまま重篤な感染症に至ることがあります。

日常のフットケアのポイント

毎日足の状態を確認する(傷・水ぶくれ・変色など)

保湿を心がけ、皮膚の乾燥を防ぐ

合った靴を履き、裸足歩行を避ける

傷に気づいたらすぐに受診する

爪をまっすぐ切り、深爪を避ける

湯たんぽの使用に注意する(低温やけど予防)

緊急対応が必要なケースも

急性合併症

糖尿病性ケトアシドーシス(DKA)

主に1型糖尿病に多い合併症です。インスリンが急激に不足することで脂肪が過剰に分解されケトン体が産生され、血液が酸性になります(アシドーシス)。緊急入院が必要となります。吐き気・嘔吐・腹痛・意識障害などの症状が現れます。

1型糖尿病に多い

高浸透圧高血糖状態(HHS)

主に2型糖尿病の高齢者に多い合併症です。血糖値が著しく上昇(600mg/dL以上)し、高度な脱水を伴います。意識障害・昏睡のリスクが高く、DKAよりも死亡率が高いとされる重篤な状態です。

2型高齢者に多い
当院の取り組み

当院の合併症スクリーニング

総合的な定期検査により、合併症の早期発見・予防に取り組んでいます。

検査項目
主な目的
推奨頻度
HbA1c・血糖
血糖コントロールの評価
1〜3か月ごと
尿中アルブミン・eGFR
腎症の早期発見
3〜6か月ごと
眼底検査(眼科紹介)
網膜症のスクリーニング
6〜12か月ごと
振動覚・腱反射
神経障害の評価
6〜12か月ごと
頸動脈エコー
動脈硬化の評価(脳梗塞リスク)
1〜2年ごと
心電図
心疾患のスクリーニング
年1回
ABI・PWV(血圧脈波検査)
末梢動脈疾患・動脈硬化度
年1回

※検査の頻度は患者さまの状態や担当医の判断により異なります。

院長 張宇
院長からひとこと

糖尿病の合併症は、自覚症状がないまま静かに進行するものが多くあります。「早期発見・早期治療」のために、定期的な検査がとても大切です。「血糖コントロールが良ければ大丈夫」とは思わず、ぜひ毎年の合併症スクリーニングを続けてください。

合併症が心配な方、自覚症状がある方は、いつでもお気軽にご相談ください。患者さまに合った検査スケジュールを一緒に考えていきましょう。

張 宇(ちょう う)
女性医師・糖尿病専門医・内科認定医

関連学会・参考情報

日本糖尿病学会 | 日本眼科学会 | 日本腎臓学会

関連するページ