甲状腺疾患
橋本病(慢性甲状腺炎)をはじめとする甲状腺疾患の診断・治療・経過管理を行います。エコー検査・血液検査で精密に評価します。
ABOUT
橋本病とは
免疫の異常によって甲状腺に慢性的に炎症が生じ、慢性甲状腺炎とも呼ばれます。この慢性炎症によって甲状腺ホルモンが作られにくくなると、甲状腺機能低下症が生じます。橋本病の大部分の人では甲状腺ホルモンは正常で経過、甲状腺機能低下症になるのは4〜5人に1人未満です。
SYMPTOMS
症状
甲状腺の腫れ
甲状腺の腫れがあり、くびの圧迫感や違和感が生じます。
機能低下症状
甲状腺機能低下症になると、疲れやすさ、むくみ、寒がり、体重増加、便秘、かすれ声などが生じます。
一時的な亢進症状
時に甲状腺ホルモンが血中に流出して、一時的に甲状腺ホルモンが過剰となり、動悸、指の震え、暑がり、汗かきなどの症状がでます。通常は、3か月以内でおさまります。
TREATMENT
治療
甲状腺機能が正常の橋本病では、基本的に治療は必要ありません。甲状腺機能低下症の場合は、甲状腺ホルモン補充(合成T4製剤の内服)を行います。生涯、甲状腺ホルモンの補充が必要になることが多いです。
PREGNANCY
妊娠希望また妊娠中の医学管理
軽い潜在性甲状腺機能低下症でも、流早産や妊娠高血圧症候群のリスクが高くなり、治療により改善できます。妊娠を希望する場合には、TSH2.5µU/ml以下を目標に、合成T4製剤の内服を調整します。
妊娠中・後期はTSH3.0µU/ml(後期は3.5µU/mlでもよい)以下にコントロールするのが一般的です。合成T4製剤を内服しながらの授乳は問題ありません。
DAILY LIFE
日常生活の注意点
昆布やひじきなどのヨウ素を大量に含むような海藻類などの過剰摂取を避けましょう。
FAQ
よくあるご質問
統計データ
橋本病(慢性甲状腺炎)は成人女性の約10人に1人に見られるとされ、甲状腺疾患の中で最も頻度が高い疾患です(日本甲状腺学会)。
甲状腺の病気はどのような症状がありますか?
甲状腺機能低下症(橋本病など)では、疲れやすさ・体重増加・寒がり・むくみなどの症状が見られることがあります。甲状腺機能亢進症では、動悸・体重減少・発汗・手の震えなどが現れる可能性があります。甲状腺疾患は女性に多く、男女比は約1:10です。(出典:日本甲状腺学会)
甲状腺の検査は何をしますか?
血液検査(甲状腺ホルモン・TSH・抗体検査)と超音波(エコー)検査を行います。当院では院内で血液検査が可能で、エコー検査も予約制で対応しています。当院では血液検査と超音波検査を同日に実施し、多くの場合その日のうちに結果をお伝えできます。
橋本病と診断されましたが、治療は必要ですか?
橋本病は甲状腺機能が正常に保たれている場合、経過観察のみで治療が不要なこともあります。機能低下がある場合は甲状腺ホルモン補充療法を行います。定期的な検査が重要です。甲状腺機能低下が進行した場合、甲状腺ホルモン薬(レボチロキシン)の内服で正常値を維持できます。一般的な薬価は月数百円程度(保険適用)です。
甲状腺ホルモンの薬を飲み始めたら、一生続ける必要がありますか?
病気の種類によって異なります。橋本病による永続性甲状腺機能低下症の場合は、長期にわたって薬の継続が必要となることが多いです。当院では、定期的にホルモン値を確認しながら、必要な用量への調整を慎重に判断します。自己判断での中止は避けてください。
(出典:日本甲状腺学会「甲状腺疾患診療ガイドライン2024」)
妊娠中・授乳中ですが、甲状腺ホルモン補充薬は安全ですか?
甲状腺ホルモン補充薬(レボチロキシン等)は、妊娠中・授乳中も継続が推奨される薬剤の一つです。むしろ妊娠中は甲状腺ホルモンの必要量が増えるため、用量調整が必要となることがあります。妊娠を希望される方・妊娠が判明された方は、できるだけ早めに当院にご相談ください。妊婦健診を受けている産科と連携しながら管理を進めます。
(出典:日本甲状腺学会「バセドウ病および橋本病の診療ガイドライン」、日本産科婦人科学会との合同見解)
健診で甲状腺に「のう胞」があると言われました。心配ですか?
甲状腺の「のう胞」は液体がたまった袋状の構造で、多くは良性です。当院では超音波(エコー)検査でのう胞のサイズ・性状・血流などを確認し、必要に応じて経過観察または専門医療機関での精密検査をご案内します。サイズが小さく性状も良性的な場合は、年1回程度のフォローで十分なケースが多いです。気になる症状がある時は早めにご相談ください。
(出典:日本甲状腺学会・日本超音波医学会「甲状腺結節の取扱い」)
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